「今後はショートカットで生きていきます!」
担当の美容師さんのそう宣言したのは何年前だったろう。
私は今、髪を伸ばしている。
高校生から「髪を伸ばしてはバッサリ切る」を2、3年ごとに繰り返していた。
バッサリ切った時にびっくりする周囲の反応も面白かったし、「ショート似合うね」のお世辞を間に受けていたからかもしれない。
高校生の時に、ベリーショートに近いくらい短く切った。
ある時、少し離れたところで、普段関わることのない理系クラスの男子が「あれ男?」と友達に聞いていたのを耳にした。
制服はスカートを履いていたので、たぶんジャージを着ていた時なのだろう。
もちろん化粧もしていないすっぴん高校生、どちらかというと塩顔な私は男性に見間違えられたのだ。
以来、ショートヘアにした時は、メイクとアクセサリーを欠かさなくなった。
ところが40歳を過ぎてショートヘアにしたところ「オバさん」なのである。
これまでも何度か「オバさんっぽくなっちゃったなー」と思ったことはあるが、「っぽく」ではなくなってきたのだ。
やはり年齢的に言っても「オバさん」の部類なのだろうか。
高校生のベリーショートは男性に間違えられたとて、若い。
だが40歳を過ぎて男性に間違えられたら、もはや「オジさん」である。
正直少しは若く見られたい欲求もあり、オバさんでもいいから女性に見られたい。
そこでまた髪を伸ばすことにした。
美容師さんには
「今後はセミロングで生きていきます!ショートにしたいと言ったら全力で止めてください!」と念押しのお願いまでした。
なんとも迷惑な客だ。
さて、ここから3、4年後の私の髪は、どちらになっているのだろう。

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